株価暴落で投資をやめたら損?続けたら得?10年後に現れる驚きの資産差

株式市場には必ず「暴落」があります。リーマンショック、コロナショック、世界的な金融不安…。 そんな時、多くの人が投資をやめたくなるのは当然です。しかし、暴落時に投資を続けた人とやめた人では、その後の資産形成に大きな差が生まれます

株価が一気に何十%も下がる光景は、チャートで見る以上に精神的な負担が大きいものです。
2008年のリーマンショックでは、わずか1年で日経平均が約50%下落。2020年のコロナショックでは、世界中の株価が1か月で3割以上急落しました。

こうした急落局面で冷静さを保つのは難しいですが、実はこの「下がっている期間」にどう行動するかで、10年後の資産額は大きく変わります。

暴落時の心理と行動

暴落時、多くの投資家は「これ以上下がったらどうしよう」という恐怖にかられます。 結果、株や投資信託を売却して現金化してしまうケースが少なくありません。

特に投資初心者ほど、下落を「損失確定」と混同してしまいがちです。含み損は売らなければ確定しませんが、不安が勝ってしまうと耐えきれずに売却してしまいます。
さらに、人間は「損を避けたい」という心理(プロスペクト理論)が強く働くため、含み損がある状態は想像以上にストレスです。

この心理的負担を理解し、暴落時の自分の行動をあらかじめ決めておくことが重要です。

ためお
ためお

下落の先が見えないという恐怖は体感してみないとなかなか理解しづらいものがあります。

一方、長期的な視点で投資を続けた人は、その後の相場回復や上昇局面の恩恵を受けられます。

シミュレーション:暴落時にやめた場合と続けた場合

次の条件で、投資を続けた場合とやめた場合を比較してみます。

  • 毎月投資額:5万円
  • 想定年利:7%
  • 投資期間:10年
  • 3年目にリーマンショック級の暴落(-40%)が発生

ケース1:暴落後も投資を継続

  • 暴落時も毎月5万円を投資
  • 株価が回復すると安値で買った分が大きく成長
  • 10年後の資産額:約880万円

毎月5万積立で年利7%で安定運用した場合は855万円くらいです。暴落時に安価に買い増しできていたことを想定すると、シミュレーションよりは少し大きくなると想定しています。

ケース2:暴落後に投資を停止し現金保有

  • 暴落後は積立をやめて現金で貯金
  • 暴落前の資産は大きく減ったまま回復の恩恵を受けられない
  • 10年後の資産額:約540万円

暴落時に投資信託を全売却し、現金化。それ以降は現金を積立し、利息はないものとして想定しました。

このシミュレーションでは、投資を続けた人とやめた人では約340万円の差が生まれました。非常に雑なシミュレーションですが、概ねこの程度は差が生まれてくると想定されます。

この差は「一度きりの暴落」での想定です。もし10年間の間に2度、3度と暴落が起これば、投資を継続した人はそのたびに安値で仕入れられ、差はさらに広がります。

一方、暴落後に投資をやめた人は、下落時に安く仕入れるチャンスを逃すため、回復後の利益が限定的になります。
つまり、暴落は一時的な痛みですが、やめてしまうとその後の成長エンジンを失うことになります。

なぜ差がつくのか?複利と「安値買い」の効果

暴落時は株価が割安になります。その時に買い続ければ、同じ金額でより多くの口数・株数を取得できます。 その後、株価が回復した時に、安く仕入れた分が大きな利益を生み出します。

例えば、暴落前に1口1万円の投資信託を毎月5万円分購入していたとします。暴落で価格が6,000円まで下がれば、同じ5万円で約8.3口も買えることになります。
この「口数の増加」が回復局面で一気に効いてくるのです。価格が1万円に戻っただけで、暴落時に買った分は+66%の値上がり益をもたらします。
これが複利と安値買いのダブル効果で、長期投資を続ける人が有利になる理由です。

さらに、投資を長期で続けることで複利の効果が働き、資産の伸びは加速度的になります。

名著:敗者のゲームでも語られていますが、「稲妻の輝く瞬間に居合わせる」ということが重要です。

過去の事例:コロナショック

コロナショック時、S&P500や日経平均は急落しましたが、積立をやめずに続けた投資家は、その後の急回復で大きなリターンを得ました。
2020年3月に底を打ったS&P500は、1年後には約70%上昇。つまり、底付近で買った資金はわずか1年でほぼ倍になった計算です。

この事実は、「暴落時に売らない」「できれば買い増す」ことの重要性を物語っています。

暴落時に投資を続けるための3つのコツ

  • 生活防衛資金を確保しておく:暴落時に現金が足りないと、投資資産を売らざるを得なくなる
  • 自動積立を活用:感情に左右されず機械的に買い続けられる
  • 投資目的を明確にする:「老後資金」「教育資金」など目的があれば一時的な下落に動じにくい

まとめ

  • 暴落時に投資を続けた人は、やめた人より長期的に大きな資産を築ける可能性が高い
  • 下落時は「安値で多く買える」チャンスでもある
  • 生活防衛資金と自動積立で感情に左右されず続けることが重要

暴落は恐怖の瞬間ですが、長期投資家にとっては資産を加速的に増やすチャンスでもあります。 10年後に笑っていられるよう、暴落時こそ冷静に投資を続けましょう。

暴落は一時的な恐怖を与えますが、長期投資家にとっては最大のチャンスでもあります。
重要なのは、「下落局面を耐える準備」と「自分のルールを守ること」。
10年後に「あの時やめなくてよかった」と思えるよう、暴落に備えた資金管理とメンタルの準備を今から始めましょう。

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