投資を始めようと考えたとき、多くの人が最初に迷うのが「S&P500」か「オルカン(全世界株式)」かという選択です。どちらも人気の高いインデックスファンドですが、投資対象やリスク、リターンの傾向が異なります。この記事では、20代投資初心者がどちらを選ぶべきか、分かりやすく解説します。
S&P500とは?
S&P500は、米国の代表的な株価指数で、アメリカの上場企業500社の株価をもとに算出されます。Apple、Microsoft、Amazonなど世界を代表する企業が多く含まれており、米国経済の成長をそのまま享受できるのが特徴です。
- メリット:米国は長期的に経済成長してきた実績があり、過去30年間の年平均リターンは約7〜10%。
- デメリット:米国一国に集中投資するため、米国経済の低迷時には資産価値が大きく下落するリスクがある。
オルカン(全世界株式)とは?
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式など)は、世界中の株式に分散投資するファンドです。米国株だけでなく、日本、欧州、新興国まで幅広く投資することで、地域ごとの景気変動リスクを分散できます。
- メリット:1本で世界中に分散投資できるため、特定の国の景気に左右されにくい。
- デメリット:米国株比率が高いものの、S&P500と比べるとリターンはやや低くなる傾向がある。
20代投資初心者が選ぶときのポイント
- リスク許容度 — 資産が減ったときにどれだけ耐えられるか。値動きが大きくても長期的なリターンを重視するならS&P500、安定性を求めるならオルカン。
- 投資期間 — 20代は投資期間が長く取れるため、短期的な下落を気にせず高成長を狙う戦略も可能。
- 精神的な安心感 — 「一国集中は不安」という場合はオルカンの分散効果が心強い。
実際の過去リターン比較(参考)
- S&P500(過去10年):年平均約12〜14%
- 全世界株式(過去10年):年平均約9〜11%
過去の実績ではS&P500が上回っていますが、今後も同じ傾向が続く保証はありません。
📊 毎月3万円×20年間積み立てた場合(年利:S&P500=12%、オルカン=10%)

年数 | S&P500(円) | オルカン(円) |
---|---|---|
20年後 | 約27,336,000 | 約21,548,000 |
- S&P500は米国一国集中ですが、リターンが高いため20年後にはオルカンより約580万円多い結果となりました。
- オルカンはリターンはやや低めですが、世界全体に分散されているため精神的に安心して長期保有しやすいメリットがあります。
結論:20代におすすめは?
リターンを求める場合は、S&P500の方がトータルで評価額は高くなります。米国が今後も世界のリーダーで居続けることが心から信じられる場合は、S&P500に全力で問題ないでしょう。
オルカンに投資するほうがいい人は、米国が今後も変わらず世界のリーダーであり続けることを心から信じることができない人です。(私もその一人です)
オルカンの60%は米国だからS&P500と変わらないと言われますが、異なる点としては投資対象が全国であるということです。米国が沈んで、欧州やインドが台頭してきた場合、それらの国の企業の株式の割合が増加します。S&P500の場合は鳴かず飛ばずの米国に投資し続けて指を咥えて見ているしかないです。
ということを言うと、S&P500アンチなのかって思うかもしれませんが、私自身のポートフォリオの半分は米国株関連の投資信託です。これは、オルカンに含まれている60%の米国を含めたものではなく、米国関連投資信託(VT、SCHD):オルカン=50:50という意味です。
なので、私は米国が今後も発展し続けてリーダーで居続けると思っていますが、「心から信じられるか?米国を売りたくなることがないか?」と言われると心が揺らぎそうなので、オルカンを定期的に購入することで心の平穏を保とうと思っています。
個人的には、ほんっと個人的にはなのですが、暴落時でも持ち続けられるか?で投資対象は選ぶべきだと思います。どんなに悲観的なニュースが出たとしても、結局は大丈夫と思える軸があればいいんではないかと。

私は、「オルカンは全世界に分散して投資してるんだから、仮に世界恐慌が来ても全世界の国々が建て直しのためにじゃぶじゃぶ補助金を出したりお金をばら撒いてまた盛り返すはずだよね!」と信じているのでオルカンを買っています。
まとめ
S&P500とオルカンはどちらも優れた投資先ですが、「より高成長を狙うか」「分散で安定性を取るか」で選び方が変わります。20代の強みは投資期間が長いこと。焦らずコツコツ積み立てれば、どちらを選んでも資産形成の大きな武器になります。