20代社会人として「これから投資信託を始めたいけど、どれを選べばいいの?」「損したくないし、変な商品をつかみたくない…」と不安に思っていませんか?実際、投資初心者が最初にぶつかる悩みは 「数千本もある投資信託の中から何を選べば失敗しないか」 という点です。
結論から言えば、初心者には 長期・分散・積立 を軸にしたインデックス型投資信託がおすすめです。
具体的には、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(通称:オルカン)を楽天証券かSBI証券で淡々と無理のない範囲で購入し続けることが初心者の最適解と認識しています。
この記事では、20代の初心者が抱きがちな心配に共感しつつ、その不安を払拭するための投資信託の選び方を解説します。具体的な人気ファンド例や、失敗しがちなポイントと回避法、20代から始めるメリットなども網羅しています。ぜひ参考にして、資産形成の第一歩を踏み出しましょう。

私は2020年12月からつみたてNISAを始めましたが、その時に知りたかったと思える情報をギュギュッとまとめてみました!
20代で投資信託を始めるべき理由(メリット)とは?
まずは「なぜ20代から投資信託を始めるべきか」を押さえておきましょう。若い今だからこそのメリットを理解すれば、不安も和らぎ前向きに投資を始められます。
時間を最大の味方にできる
20代から投資を始める最大のメリットは「時間」という資産を活用できることです。複利効果(利益を再投資して雪だるま式に資産を増やす効果)を長期間享受でき、将来得られるリターンが大きく広がります。例えば、毎月1万円を年利5%で運用する場合、20歳から60歳まで40年間積み立てれば約1,500万円に達しますが、30歳開始(30年間積立)だと約830万円にとどまります。10年早く始めるだけで約670万円もの差が生まれる計算です。このように、若いうちの少額投資でも時間を味方につければ大きな資産に育つ可能性があります。

アインシュタインも「人類最大の発明は複利だ」と言っていますし、複利の力を活用できるのは20代の最大のメリットです。
少額からコツコツ始められる
投資というと大金が必要なイメージがありますが、投資信託なら100円程度の少額からスタート可能です。実際、主要ネット証券では100円〜1,000円ほどから積立投資ができるので、収入が多くない20代でも無理なく始めやすいのが魅力です。社会人2年目で貯蓄が少なくても、毎月数百円〜数千円から積み立てていけばOK。少額なら万一損失が出てもダメージは小さいため、怖がりすぎず経験を積めるでしょう。

まずは少額でいいので「投資をしている状態」に自分を置くことが重要です。仮にミスをしたとしても傷は浅く問題になりません。
簡単に分散投資できる
投資信託は1本で株式や債券など多数の銘柄に分散投資されています。個別株を自分で何十銘柄も買うには資金が要りますが、投資信託なら少額でプロが分散運用するポートフォリオを持てます。「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言通り、分散はリスク軽減の基本です。投資元本が比較的少なめの20代の初心者でも、投資信託を活用すれば手軽に分散効果を得られるのは大きな利点でしょう。
インフレに対抗できる
貯金だけでは物価上昇(インフレ)に負けてお金の実質価値がめべりする可能性があります。特に昨今は物価が上がりやすい局面もあるため、資産を守るには運用でインフレに負けないリターンを目指すことが重要です。健全な経済では毎年物価がじわじわ上昇するため、投資で増やす工夫をしないと「貯金しているのに購買力が下がる」事態になりかねません。20代から投資を習慣にすれば、インフレにも上手に対処できるでしょう。

2%のインフレが10年続くと物価は1.2倍になります。お金もこのペース以上で増やせないと、実質的に価値が減少することになります。
以上のように、20代から投資信託を始めることには多くのメリットがあります。「損したくない」「怖い」と尻込みする気持ちもあるでしょう。しかし、時間を武器にコツコツ積み立てていけば、少ない元本でも大きなお金を育てられる可能性があります。まずはメリットを理解し、次章から具体的な投資信託選びのポイントを見ていきましょう。
20代初心者向け投資信託の基本と選び方のポイント
投資信託とは?初心者に向いている理由
そもそも投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を一つのファンドにまとめ、運用の専門家が株式や債券などに分散投資して運用する金融商品です。簡単に言えば「みんなでお金を出し合ってプロに運用を任せる」仕組みであり、以下のような特徴があります。
- 1つで複数資産に投資:投資信託1本で何十〜何百という銘柄に投資しているため、それだけで分散効果があります。例えば日経平均に連動する投資信託なら、日本の主要225銘柄にまとめて投資するイメージです。初心者が個別株をいきなり買い集めるより、おまかせで分散できる点で安心です。
- プロが運用:投資判断や銘柄選定はファンドマネージャーなどプロが行うため、投資初心者でも専門知識がなくても始めやすいです。「どの株を買えばいいかわからない」「タイミングを見極められない」という初心者の悩みも、投資信託なら心配いりません。
- 透明性が高い:投資信託は毎日基準価額(価格)が公表され、運用内容も月次レポート等で開示されています。怪しい裏事情で運用されることはなく、情報開示がしっかりしているので信頼性があります。
一方で元本保証がないことや、手数料がかかる(購入手数料や運用管理費用=信託報酬)点には注意が必要です。しかしこれはどんな投資商品でも同じこと。重要なのは、自分に合った投資信託を選ぶことです。それでは具体的な選び方のポイントを見ていきましょう。

投資信託は保有しているだけで手数料がかかりますが、これは、自分で分散して数百社の株を購入する場合の管理費用のようなものなので、個人的には年間0.1%以下であれば破格だと思います。
長期運用を前提に商品を選ぶ
20代の強みは「時間をかけて増やす余裕がある」ことです。したがって、投資信託選びも10年以上の長期運用を視野に入れて行いましょう。短期で結果を求めてしまうと、市場変動に振り回されて思わぬ損失を出すリスクが高まります。長期投資なら一時的な暴落もいずれ回復する可能性が高く、時間の経過とともにリスクが平均化されます。「使う予定のないお金は10年先を見据えて運用」くらいの気持ちで取り組むのがコツです。

過去の歴史を鑑みても、15年以上の長期間運用を行えば、どの期間から投資を開始してもリターンはプラスになるという統計データがあります。
長期目線で商品を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 過去の実績や指数を確認:投資信託の目指すベンチマーク(指数)や、過去の基準価額推移をチェックします。もちろん過去実績は未来を保証しませんが、長期で右肩上がりの傾向にある市場に投資することが成功の鍵です。具体的には、米国株式や全世界株式は長期成長が顕著だった例として知られています。一方、テーマ株など流行に左右されるものは長期安定性に欠けることが多いので注意が必要です。
- 15年後も続けられるか:長期投資では「続けること」が何より大事です。自分が納得できる商品か、無理なく積み立てを続けられる設定額かを考えましょう。途中で怖くなってやめてしまっては複利効果も得られません。例えば値動きが激しすぎる商品だと精神的に耐えられないかもしれません。そういう場合は後述するバランス型など、値動きマイルドな商品を選ぶのも一つの手です。
分散投資できるファンドを選ぶ
「一つの商品で分散」とは先ほど述べた通り投資信託の強みですが、商品ごとに分散の度合いは異なります。投資対象の幅が広いファンドほど一つに偏るリスクが低減するため、初心者にはできるだけ広範に分散された投資信託がおすすめです。
具体的には、投資地域や資産クラスの分散がポイントです。例えば「日本株だけ」「テクノロジーセクターだけ」のようなファンドより、世界中の株式に投資する全世界株式型や、株式と債券両方に投資するバランス型などの方が一部市場の不調に引きずられにくくなります。特定の資産に集中すると値動きも大きくなりがちですが、異なる資産へ分散すれば安定した運用が期待できます。

地域とセクターが分散されていれば資産1,000万円までは問題ないです!
インデックスファンドを中心に検討する
投資信託には大きく分けてインデックスファンド(指数連動型)とアクティブファンド(独自運用型)があります。初心者には、ズバリ「インデックスファンド」がおすすめです。理由は以下の通りです。
- 長期では多くのアクティブファンドに勝る:よく言われるのが「ほとんどのアクティブファンドは長期的にインデックスに勝てない」という点です。実際、米国などの調査でも大半のアクティブファンドが市場平均(インデックス)に劣後する結果が報告されています。要するに高コストをかけてプロが運用しても、低コストで市場平均に忠実に運用するインデックスファンドに勝てないケースが多いのです。そうした情報に触れて、最近の20代投資家は最初からインデックスファンドを選ぶ傾向が強まっています。
- 低コストで市場平均のリターンが狙える:インデックスファンドは日経平均やS&P500など決まった指数に連動するよう運用するため、運用コスト(信託報酬)が一般に低めです。余計な売買をしない分、手数料負けしにくいメリットがあります。長期投資では信託報酬の差が最終リターンに大きく影響しますが、インデックスファンドは0.1%前後~0.3%程度と格安の商品が多く、コスト効率に優れます。
- シンプルで分かりやすい:インデックスファンドは「どの指数に連動するか」が一目瞭然なので投資内容が理解しやすいです。例えば「このファンドは日経225に連動」と書いてあれば、日経平均株価の動きに合わせて基準価額が増減します。一方でアクティブファンドは運用方針がファンドごとに異なり、「〇〇テーマに投資」といった特色がありますが、それが将来どう功を奏すか素人には判断が難しいです。シンプルで納得しやすいインデックス型から始めるのが無難でしょう。
実際、20代投資家の現在の投資信託運用先の約93.8%がインデックスファンドというデータもあります。ごく一部のテーマ型やレバレッジ型を除けば、ほとんどの若年層が低コストで市場平均を狙うインデックス運用に落ち着いているのです。初心者が「変な商品をつかまない」ためにも、まずは王道のインデックスファンドを中心に検討することを強くおすすめします。

私の保有する株式もほぼインデックスファンドです。アクティブファンドは旧NISA時代によくわからず購入した「ひふみ投信」くらいのものです。
アクティブなので微妙・・・と思いきや、30万円で購入してそのままほったらかしで8年くらい経ちますが、45万円くらいにはなっているので、とりあえず分散されている投資信託を購入して長く保有することが大事ってことがわかりますね。
積立投資(ドルコスト平均法)でリスク分散

投資信託の買い方としては、一度にまとめて購入するよりも毎月コツコツ積み立てる方法が初心者には向いています。いわゆるドルコスト平均法(積立投資)によって、購入タイミングの分散を図ることで高値掴みのリスクを防げるからです。毎月一定額を買い付ければ、価格が高い月には少ない口数、安い月には多くの口数を買うことになり、結果的に取得単価が平準化されます。「いつ買うか悩む」必要がなくなるのも精神的に楽な点です。
市場の変動に動じにくくなる:積立を続けていると、下落相場でも「安くたくさん買えるチャンス」と前向きに捉えられるようになります。一括投資だと下落が怖くなりがちですが、積立なら下がった時こそ将来のリターンのタネをまいている感覚でいられるでしょう。

この考え方めっちゃ大事です。暴落がきても、「今はまだ購入するフェーズ」と思えますし、「安く買えるバーゲンセールや!」くらいの感覚です。
手数料と投資方針を必ずチェック
最後に、具体的なファンドを選ぶ際は必ず目論見書やKPI(重要情報)で手数料と方針を確認しましょう。特に注目すべきは信託報酬(運用管理費用)です。信託報酬は年率○%で日々差し引かれますが、長期になるほど塵も積もれば…で差が大きくなります。同じような指数に連動するなら信託報酬がより安いファンドを選ぶのが基本です。例えばS&P500連動のインデックスファンドでも、A社は年0.1%、B社は0.2%ということがあります。迷ったら低コストな方を選びましょう。近年は信託報酬最安級の「eMAXIS Slim」シリーズなど各社のコスト競争が進んでおり、主要インデックスファンドは概ね年0.1%前後まで低下しています。


こちらが冒頭でおすすめしたオルカンのコストになります。仮に、1,000万円分オルカンを保有していた場合、年間で1,000万円×0.05775%=5,775円が手数料になります。
また、ファンドの投資方針や投資対象も確認ポイントです。どの地域の何に投資しているのか、株式か債券か、為替リスクはあるのかなどは理解しておきましょう。「難しくて分からない…」という場合は、基本的にオーソドックスなインデックスファンドを選べば大きく外すことはありません。金融庁のつみたてNISA対象商品リストに載っているファンドなどは長期投資向きの良質な商品が揃っています。逆に仕組みが難解な商品や、レバレッジ型・毎月分配型など初心者には扱いが難しいファンドは避けるのが無難です。これについては次の「失敗しがちなポイント」で詳しく触れます。
20代に人気の具体的なインデックスファンド紹介
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
「オルカン」の愛称で親しまれる、三菱UFJ国際投信の提供する超人気インデックスファンドです。「全世界株式」の名前どおり、先進国から新興国まで世界中の株式にまとめて投資します。具体的には、MSCI ACWI(先進国23ヶ国+新興国24ヶ国の株式指数)に連動するファンドで、これ1本で時価総額ベースの世界株ポートフォリオが完成します。信託報酬も年0.05775%程度(純資産5000億未満部分)と非常に低く抑えられており、長期投資のコスト負担も微々たるものです。
人気の理由・メリット:世界経済全体の成長に乗る王道戦略であり、地域や国の選別を自分で悩まなくて良い点が初心者にとって安心です。「米国も新興国もまとめて買いたい!」という欲張りなニーズにも応えられます。実際、ネット証券の投信販売ランキングでは常に上位を占めており、SBI証券では2024年7月時点で販売金額ランキング第1位でした。2018年の設定以来順調に基準価額を伸ばしており、2024年8月時点で設定来+150%超と高い成長を示しています。これは世界株式市場全体が右肩上がりで成長してきた歴史を反映したものと言えるでしょう。
注意点:全世界といえども米国株の比重が約6割を占めます(米国市場の時価総額が大きいため)。したがって実質的には米国の影響を強く受けるファンドであることは認識しておきましょう。米国好調時は効率良く伸びますが、米国株が大きく下げる局面では基準価額も左右されやすいということです。また、投資対象は株式100%なので、世界同時株安となればやはり大きく値下がりするリスクがあります。とはいえ20代の長期積立なら一時的な下落はむしろ「安く買えるチャンス」ですし、債券など安全資産も組み入れたい場合は後述のバランス型との併用も検討すると良いでしょう。

一般論としては上記のとおりです。個人的には、万人がオルカンのみでいいと思います。分散という観点で債券を購入するくらいなら、現金比率を上げる方がシンプルでわかりやすいです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
こちらも三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズで、米国株式(S&P500)に連動する超低コストファンドです。S&P500指数(米国の主要500社)に投資し、米国経済の成長をダイレクトに取り込む運用を行います。信託報酬は年0.09372%程度と、こちらも非常に安価です。SBI証券の投信人気ランキングでは2024年7月時点で第2位につけるなど、全世界株式と並んで個人投資家に圧倒的人気を誇ります。楽天証券の投信人気ランキングでは2025年7月時点で第1位です。
人気の理由・メリット:米国株式は過去数十年にわたり全世界平均を上回る成長を見せてきました。特にS&P500は世界最大級の株価指数で、「迷ったらS&P500に連動しておけ」と言われるほど定番です。米国は今後もイノベーションを牽引し経済成長が続くとの期待から、20代の投資家にも「将来性の高い米国に集中投資したい」と考える人が多いようです。全世界株式と比べよりシンプルに米国一本に賭ける分、信託報酬もわずかに高い程度で済んでいます。成長性の高い米国株に低コストで集中投資できる点がこのファンドの最大の魅力です。実際、設定来の騰落率は+198%と全世界株式を上回る成績(※2024年8月時点)を残しています。
注意点:米国集中投資である以上、将来も米国経済が好調であることが前提になります。仮に米国が低迷し他地域が台頭するような局面では、全世界株式の方が手堅い可能性もあります。要は「米国一本で効率よく増やすか、全世界で万遍なく取るか」は投資家の判断が分かれるところです。どちらが正解とは断言できませんが、20代で長期なら最終的なリターン差もそこまで大きく変わらないという意見もあります。迷うようなら両方を半分ずつ積み立てる手もありますし、自分の信念に沿って選びましょう。いずれにせよ、米国株式型も全世界株式型も初心者にとって優良な主力候補であることは間違いありません。

米国を信じられるならS&P500、人類全体の発展に懸けるならオルカンです。私は、米国一強が死ぬまで続くかは信じられなかったのでオルカンにしました。
インデックス型バランスファンド(例:eMAXIS Slim バランス〈8資産均等型〉など)
バランスファンドとは、株式・債券・リート(不動産投資信託)・コモディティなど複数の資産クラスにまとめて投資するファンドです。1本で分散が効くため、値動きの安定性を重視したい初心者に適しています。中でもインデックス型のバランスファンドは低コストでシンプルな運用をするため人気があります。
例えば 「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は国内外の株式・債券・リート・金の合計8資産に12.5%ずつ均等配分で投資するファンドです。株式の比率が50%程度に抑えられており、株価暴落時にも債券や金がクッションになる設計です。信託報酬は年0.154%程度とこちらも比較的低コストです。1本で世界の株と債券にバランス良く投資できる手軽さから、リスクを抑えたい層に選ばれています。
他にも、楽天投信投資顧問の「楽天・インデックス・バランス・ファンド」シリーズも人気です。特に(株式重視型)は株式70%・債券30%の配分で運用するファンドで、若年層で積極運用したい人向きのバランス型として注目されています。先進国株・新興国株・国内株と投資適格債券に分散しつつ、株式比率高めでリターンも狙える商品設計です。新NISAのつみたて枠でも購入可能な商品で、信託報酬は年0.21%程度となっています。
バランスファンドのメリット:なんと言っても値動きの安定感です。株式100%のファンドに比べ、株価急落時の下落幅を債券などが緩和してくれるため、精神的な安心感があります。「リスクは取りたいけど乱高下は怖い」という人には最適でしょう。また、自分で資産配分(アセットアロケーション)を考えなくてもプロが適宜リバランス(比率調整)してくれるので手間がかかりません。投資の手間を極力省きたい初心者にも向いています。
注意点:バランス型は安全資産を含む分、爆発的なリターンは期待しにくいです。若いうちは多少の上下より資産の最大成長を狙いたいという人には物足りなく映るかもしれません。ただ、20代でも安定性重視の人や、まずはマイルドに投資経験を積みたい人には非常に有力な選択肢です。自分のリスク許容度と相談し、必要に応じてバランスファンドを組み込むと良いでしょう。

20代では投入できる資金が少なく、かつ投資期間を長く取れることを考えるとリスク許容度も高めなので、手数料重視でオルカンorS&P500がおすすめです!
その他の指数連動型ファンド
上記以外にも、20代に人気のインデックスファンドはいくつかあります。例として以下のようなものがあります。
- 国内株式型:例)ニッセイ日経225インデックスファンド。日本株(日経平均)に連動するファンド。日本経済に期待する場合や、手持ちのNISA枠で日本株も入れたい場合に。過去の伸びは米国株に劣るものの、身近な日本企業に投資したい人には検討材料になります。ただし日本株単独よりは上記の全世界株式に日本も含まれているため、基本はグローバル分散がおすすめです。
- 先進国株式型/新興国株式型:全世界株式から国内株や新興国株を抜いた先進国株式ファンド(例:たわらノーロード先進国株式など)や、その逆の新興国株式ファンドもあります。自分で地域配分を決めたい場合に利用されますが、初心者は最初から細かく地域をいじらず、オールインワン型(全世界/全米など)の方が分かりやすいでしょう。
- テーマ型インデックス:ESGやハイテクなどテーマ別指数に連動するファンドも存在します。ただしテーマ型は流行廃りでパフォーマンスが偏る可能性があり、初心者にはハードル高めです。余裕資金でお試し程度に留め、本命は広く市場全体を押さえるファンドにしましょう。
以上、具体的なファンド名を挙げましたが、共通して言えるのは「長期的に見て信頼できる指数に連動し、コストが安いファンドを選ぶ」ことです。ここで紹介したものはどれもその条件を満たしています。迷ったときはこれら人気ファンドの中から選べば、大きく失敗することは少ないでしょう。

選択肢としてはたくさんありますが、手数料や分散具合から考えて、投資初心者はオルカンかS&P500に投資しておくことがおすすめです。
初心者が陥りがちな失敗とその回避策
短期の値動きに振り回されて焦って損切り
ありがちな失敗①: 買った直後に価格が下がり不安になって解約してしまう、暴落で怖くなって積立をやめてしまう…といったケースです。これでは安値で売って損を確定させることになり、本来得られるはずだった将来の利益を逃してしまいます。 回避策: 長期目線を常に意識することです。投資信託は短期売買で利益を狙うものではなく、腰を据えて持ち続けることで効果を発揮します。一時的な下落局面でも「10年後を見据えよう」「今は安く買えるチャンス」と考え、焦って行動しないようにしましょう。過去のデータからも、株式市場は上下を繰り返しながら長期では成長してきた例が多いです。評価額がマイナスになっても慌てず、むしろ積立を続けて平均取得額を下げるくらいの余裕を持つことが大切です。

投資の目的が定まっていないと短期の値動きに振り回されがちです。老後資金など長期の資産形成を目的として、長いスパンで投資を考えていきましょう。
高すぎる目標や欲に溺れてしまう
ありがちな失敗②: 「もっと高利回りの商品があるのでは?」と欲張って複雑でリスクの高い商品に手を出したり、「年利○%保証」といったうまい話に飛びついてしまうケースです。例えば、毎月◯◯円分配など魅力的に見える商品に飛びつき、仕組みを理解せず買ってしまうミスもあります。 回避策: うますぎる話を疑うことと、商品特性を理解するまで買わないことです。特に毎月分配型の投資信託は一見毎月お小遣いがもらえるようで人気でしたが、実は分配金を出すたび基準価額(ファンドの値段)は下がる仕組みであり(分配金はファンドの資産から支払われるため、その分ファンド資産が減少し価格が下落します)、長期の資産形成には不利な場合があります。金融庁もつみたてNISA対象から毎月分配型を除外しているほどで、初心者は基本的に手を出さない方が良いでしょう。また「絶対儲かる」「元本保証で高配当」といった甘い勧誘は詐欺の可能性が高いです。投資信託は元本保証ではありませんし、儲け話には必ず裏があります。金融庁登録の正式な金融商品(証券会社で買える投信など)以外には手を出さないようにし、疑わしい話は専門家や公的機関に相談するクセをつけましょう。

インデックス投資はやることがないので、もっとできることがあると思って無駄なことをやりがちです。年率7%以上はあやしいということを意識して、投資に関心を寄せるのもほどほどにしておきましょう!
分散不足・偏った投資でリスク集中
ありがちな失敗③: 自分では分散しているつもりでも、実は中身が偏っていたというケースです。例えば日本株テーマファンドばかり複数持っていたり、中身が似たようなテクノロジー株ファンドをいくつも買っていたりすると、実質的には単一セクターへの集中投資になってしまいます。また、せっかく投資信託を選んだのに1本だけに全額投入している場合も、万一そのファンドの運用が極端に悪化したら資産全体に響きます。 回避策: 真の意味での分散を意識することです。具体的には、地域・資産クラス・運用会社などがなるべく被らないように配慮します。インデックスファンド同士でも、「全世界株式」と「日本株式」のように中身の被りが少ない組み合わせならOKですが、「日経平均連動」と「TOPIX連動」を持っても両方日本株なので効果は薄いです。初めのうちは1〜3本程度のファンドで十分な分散が効く組み合わせを選ぶと良いでしょう(例:全世界株式1本、あるいは全世界株式+国内債券など)。また、基本的にここで紹介したような1本で分散が効いている優良ファンドをメインに据えれば問題ありません。変にマニアックな商品を増やさず、シンプルなポートフォリオを組む方が失敗しにくいです。

オルカンかS&P500を選んでおけばこれは大丈夫です。
手数料や税金を軽視してしまう
ありがちな失敗④: 投資信託選びでコストを気にせず、高い販売手数料や信託報酬のファンドを買ってしまうケースです。また、税制優遇を使わず課税口座で運用してしまい、せっかく利益が出たのに20%も税金で持っていかれる…なんてことも。コストと税金は長期運用のパフォーマンスに直結する重要ポイントです。 回避策: 購入前に手数料を必ず確認する習慣をつけましょう。販売手数料は今やネット証券なら0円の商品がほとんどですが、銀行窓口などでは平気で3%やそれ以上取るファンドもあります。買付手数料無料のファンドを選ぶのが基本です。また信託報酬も、同じ種類のファンドなら可能な限り低いものを選びます。若い投資家ほどコスト意識が高く、「長い目で見るとコストが運用成績に影響する」と理解している人が多いというデータもあります。ぜひ皆さんもコスト重視の目線を持ってください。また、NISAやiDeCoなど非課税制度を活用するのも鉄則です。課税口座で運用すると利益の20.315%が税金で差し引かれますが、新NISAなら売却益・分配金が非課税です。20代の長期運用なら非課税メリットは非常に大きいので、使わない手はありません。

NISA枠が1,800万円あるので、NISAで始めれば大丈夫です!
情報に踊らされ過ぎてブレる
ありがちな失敗⑤: 周囲の情報に翻弄され、自分の方針が定まらずコロコロ変えてしまうケースです。例えば「○○さんはこのファンドで儲けたらしい」と聞けば乗り換え、「今はこの分野が熱い」とテレビで見ればそちらに切り替え…と続けていては、常に高値で買って安値で売る悪循環に陥りかねません。 回避策: 投資方針を最初に決めたらブレないことです。長期・分散・積立という王道方針に沿っていれば、多少流行が変わろうと焦る必要はありません。にもある通り、正しい知識を持ち継続することが大切であり、一発狙いの近道はありません。情報収集は大事ですが、「自分はこのポートフォリオで行く」と決めたら、あとは余計なノイズに惑わされず愚直に積み立てましょう。定期的なリバランス(配分調整)やチェックは必要ですが、基本戦略はコロコロ変えない方が成功しやすいです。

情報を集めすぎないというのもありですね。NISA口座を開設して、積立設定さえすればあとは放置というのが最強な気がします。
以上、初心者が陥りやすいポイントを挙げましたが、どれも冷静に対処すれば防げるものです。特に長期投資では「何もしない忍耐」も大切です。コツコツ続けることでしか得られない果実があると心得て、落ち着いて構えていきましょう。
まとめ:長期・分散・積立で資産形成を始めよう!
長くなりましたが、20代初心者のための「失敗しない投資信託の選び方」についてまとめます。 ポイントのおさらい:
20代から投資を始めるメリットは時間を味方に複利を最大化できること。少額でも早く始めれば将来大きな差になる。リスク耐性が高い世代なので株式中心の積極運用も検討しよう。
投資信託を選ぶ基本は「長期・分散・積立」。10年以上の長期運用を前提に、なるべく広く分散された低コスト商品を選ぶ。購入は毎月積立でタイミング分散し、高値掴みを防止。
初心者にはインデックスファンドがおすすめ。運用コストが低く市場平均に沿った安定した成長が狙える。実際に多くの若年投資家がインデックス運用を実践している。
具体的なおすすめファンドとして、全世界株式や米国株式のインデックスファンドが挙げられる。eMAXIS Slimシリーズなどは超低コストで人気。リスクを抑えたい人はバランス型ファンドも検討価値大。
やってはいけない失敗パターンも把握しておく。短期で焦って売らない、うますぎる話に乗らない、分散不足に注意、コストと税金を意識、情報に振り回されない…といった点に気をつければ失敗リスクは大幅減です。
初心者の不安は最初誰しもあります。しかし、基本に忠実に進めれば投資信託は決して難しくありません。20代という最大の武器(時間)を活かし、今日から少額でも始めてみましょう。
証券会社の口座さえ開設すれば、多くの商品が100円から買えるのです。まずは楽天証券やSBI証券などで口座を作り、NISA口座で月々数千円の積立からトライしてみてください。きっと将来の自分が始めたことに感謝するはずです。

思い立ったが吉日です。ぜひこの記事を参考に、信頼できる投資信託を選んで資産運用をスタートしてみましょう。まずは証券口座を開設し、無理のない範囲で一歩踏み出してみてください!あなたの20代の挑戦が、豊かな未来への第一歩となります。応援しています!