オルカンは配当金をどう使ってる?内部再投資と基準価格上昇の仕組みを解説!

「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式、楽天オールカントリー)」は分配金を出さない投資信託として有名です。
でも、組み入れられている株式は配当を出している企業も多いですよね?

じゃあ、その配当金ってどこにいってるの?

この記事では、そんな疑問に答えるために「オルカンが配当金をどう扱っているか」「その仕組みが基準価格にどう反映されるか」をわかりやすく解説します。

オルカンは配当金を“内部で再投資”している

オルカンのような「分配金なし型(無分配型)」の投資信託では、株式から得た配当金は投資信託の内部で自動的に再投資されています。

つまり、私たち投資家が直接配当金を受け取るのではなく、ファンドマネージャーがその配当金を使って再び株式を買い付けることで、資産総額を増やしているということです。

再投資された配当は“基準価格”に反映される

オルカンのような投資信託では、保有している資産の時価総額 ÷ 総口数 = 基準価格(1万口あたり)で計算されます。

内部で配当金が再投資されると、保有資産の時価総額が増えるため、結果として基準価格も上昇します。

  1. オルカンに組み込まれた株式から配当が出る
  2. オルカンの中の人が即再投資
  3. 再投資によりオルカンの時価総額合計が上昇
  4. 基準価格が上昇
ためお
ためお

配当金が「目に見える形」ではなく、「基準価格の上昇」という形で投資家に返ってきています!

視覚的に示すとこんな感じになります。
X軸を口数、Y軸を基準価格とすると、評価額は口数✖️基準価格の面積で示されます。

ここで、配当を内部再投資して分配金を出さないイメージが赤色の部分です。基準価格が増えています。

また、配当を受け取った上で自分で再投資(購入)する場合は口数が増えるので黄色の部分のイメージです。

税金などが引かれなければ基本的には赤色と黄色の部分の面積は同じになるはず・・・ということで、内部再投資と分配金として受け取っても同じことがわかります。

ためお
ためお

現実的には、分配金ありの場合、内部再投資してから分配金を取り崩し(基準価格下落)て受け取った分配金を再投資(口数増加)となるため、分配金を配分する分手数料が高めなファンドが多いです。よって資金効率は下がります。

なぜ分配しない方が効率的?

分配型の投資信託では、配当金を出すたびに20.315%の税金がかかります(特定口座の場合)。
一方で、無分配型で内部再投資される場合は、配当時点では課税されません

そのため、無分配型の投資信託は

  • 税金の繰り延べ効果
  • 再投資による複利効果

が見込めるため、資産形成を目的とした長期投資には非常に効率がよいと言われています。

新NISAでオルカンを買うメリットは内部再投資により枠を消費しないこと

よくある誤解に「配当が出ないから得してないのでは?」という声がありますが、
オルカンの場合、配当はきちんと投資家に還元されています。

ただし、現金で受け取れるわけではなく、再投資という形で資産に組み込まれているだけなのです。

その結果として、長期的に見れば配当が「雪だるま式」に効いてきて、基準価格がじわじわと上がっていく=複利的に増えていく、というわけです。

さらに、新NISAは一人当たりの投資上限が1,800万円という枠がありますが、内部再投資により基準価格が上昇するため、口数には影響がありません。

新NISAの枠は購入することによって消費される=口数の増加により消費と考えると、内部再投資して資産額が上昇することにより、余計な口数を消費しなくていいということになります。

これが、一度分配されたものを再投資する場合、NISA枠であれば非課税なので分配金が減ることはありませんが、再投資を手動で行うと口数を増やす方向になるため、NISA枠を消費してしまいます。

なので、新NISAではオルカンなどの内部再投資型の投資信託を購入して保有し続けることが最適解と言えます。

まとめ:オルカンは配当をちゃんと“資産に活かしている”

  • オルカンは分配金を出さないが、配当は内部で再投資されている
  • その再投資分は基準価格の上昇という形で投資家に還元
  • 分配がないことで、税金の繰り延べ効果や複利効果も得られる

資産形成を目的とした長期投資を行うなら、分配金が出ないことはむしろメリットになります。
オルカンは、見えないところで着実に配当金を再投資し、あなたの資産を増やし続けてくれているのです。

ためお
ためお

見えないけど、ちゃんと働いてくれている。それがオルカンの“中の人”の仕事ですね!

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