ネットや雑誌でよく目にする「投資信託ランキング」。人気ランキングやリターンランキングを見て、「これなら安心そう」と思う方も多いのではないでしょうか?しかし、ランキングだけを鵜呑みにして投資信託を選ぶのは危険です。この記事では、ランキングの仕組みと注意すべきポイントを解説します。

ランキングによっては逆に危ない商品ばかりの可能性もあります。
投資信託ランキングの種類
1. 人気ランキング(売上・純資産ベース)
投資信託の純資産額や販売額に基づくランキングです。「みんなが買っているから安心」と思いがちですが、必ずしも将来のリターンが良いとは限りません。販売会社のキャンペーンで一時的に人気が集まっているケースもあります。

特に、銀行の窓口のランキングなどの場合は「人気ランキング」ではなく、「窓口で積極的に売られているランキング」という可能性も高く、手数料が高い商品が多い可能性があります。
2. リターンランキング(過去の運用成績)
直近1年や3年の運用成績に基づくランキングです。高リターンのファンドは目を引きますが、過去の成績が将来も続く保証はありません。むしろ一時的なブームで急騰しただけの可能性もあるため注意が必要です。

ある年にリターンが高かった投資信託が、翌年も高いリターンを出す保証はありません。
3. 分配金ランキング
「分配金が高い=お得」と感じる方も多いですが、分配金の原資は元本を取り崩している場合もあります。見かけの利回りに惑わされると、資産が減っていく危険があります。

いわゆるタコ脚配当というやつですね。元本を取り崩すと長期的に資産が減少するため若年層にはおすすめできません。
ランキングを鵜呑みにしてはいけない理由
短期成績に偏っている
ランキングは直近の成績に基づくものが多く、長期的に安定しているかはわかりません。短期的に好調でも、長期的には大きく下落するリスクが潜んでいます。
手数料の高さを見落とす
ランキング上位のファンドは手数料が高いことも少なくありません。信託報酬が1%を超えると、長期投資では数百万円の差になることも。手数料は必ず確認しましょう。
販売戦略に左右されている
証券会社や銀行が販売手数料の高いファンドを積極的に売り込み、結果的にランキング上位に入るケースがあります。必ずしも投資家に有利な商品とは限らないのです。

母数が少なくなればなるほど、特定の方法で販売された商品が際立つので、当てにならなくなる可能性が高くなります。
投資信託を選ぶときのチェックポイント
- 手数料(信託報酬):低コストのインデックスファンド(0.2%以下)を目安に。
- 運用方針:市場全体に分散できるか(例:全世界株式、S&P500など)。
- 運用実績:10年以上の長期実績があるかどうか。
- 分配金の有無:再投資型で複利を活かせるかを確認。
まとめ:ランキングは参考程度に
投資信託ランキングはあくまで「参考情報」であり、選ぶ基準にはなりません。人気や短期リターンではなく、手数料や運用方針といった本質的な部分を確認することが重要です。特に初心者は、低コストのインデックスファンドを中心に選び、長期・分散・積立を徹底するのがおすすめです。
ランキングは「今話題のファンド」を知るための手がかりにはなりますが、最終判断は必ず自分でチェックしてからにしましょう。

話題性の確認に留めておき、興味が湧いたら目論見書を確認することは徹底しましょう!

