「資産はいくらありますか?」と聞かれたとき、多くの人は銀行預金や現金、不動産などを含めた総資産を思い浮かべます。一方で、株式や投資信託など、実際にリターンを生む資産は運用資産と呼ばれます。
- 総資産:現金、預金、株式、投資信託、不動産などすべてを合計した資産額
- 運用資産:株式・投資信託・債券など、市場からリターンを得ることを目的にしている資産
総資産が多くても、運用に回している金額が少なければ、長期的な資産の増加スピードは遅くなります。

すっっっっっっっごく当たり前の話を今からします。
例:総資産3,000万円でも運用資産500万円なら…
仮に総資産が3,000万円ある人が、そのうち運用資産を500万円だけにしているとします。年利7%で10年間運用した場合の増加額は次の通りです。
- 運用資産:500万円 × (1.07)^10 ≒ 983万円
- 増加額:約483万円
つまり、総資産は3,000万円から3,483万円程度にしかなりません。 一方、もし総資産の半分(1,500万円)を運用に回していれば、同じ条件でも結果は大きく変わります。
- 運用資産:1,500万円 × (1.07)^10 ≒ 2,949万円
- 増加額:約1,449万円
運用比率が高いほど、複利の効果が総資産全体に与えるインパクトは大きくなります。
運用比率がトータルリターンを決める
投資のリターンは「利回り」だけでなく、「運用に回している金額」によって大きく変わります。 同じ年利7%でも、運用資産が総資産の1割か5割かで、10年後の資産額はまったく違います。
もちろん、生活防衛資金や短期で使う予定のお金は運用に回すべきではありませんが、将来使う予定がない資金を過度に現金のまま持っていると、資産形成のスピードは鈍化します。
まとめ
- 総資産は「持っているすべてのお金や資産」、運用資産は「リターンを生むために投じている資産」
- 総資産が多くても運用比率が低ければ、複利効果は限定的
- 将来の資産形成を加速させるには、運用比率を適切に高めることが重要
資産運用を考えるときは、「総資産額」よりも「総資産のうち何割を運用しているか」を意識してみましょう。

こんなん当たり前の話!

って思ったかもしれませんが、Xなどを見ていると、資産〇〇万円達成!含み益も〇〇円!って投稿みるじゃないですか?

だから、資産が〇〇円あれば含み益も〇〇円になるんだー!とか直感的に思ってしまいそうですが、あれはあくまでも運用資産です。

なので、実際に〇〇万円貯めたらそれだけ増えるってことじゃなくて、リスクとった上で運用に回せばそれだけ増えたってことで、あまり鵜呑みにせずにリスク許容度にあった運用を心がけましょって話でした。